【論文を書くことの意味】
当科では隔週で関連病院のスタッフを含めた全体カンファレンスが行われます。
(COVID-19流行もあり、本院以外はZoomでの参加となります。)
内容としては、レジデントによる抄読会、放射線科を交えた画像読影、専門医試験を控えたスタッフによる過去問題の解説、発表の予演会となっています。
今回新たな試みとして、論文を活動的に執筆している上級医が若手に向けて、「どうやって論文を執筆したのか」、「どのように論文のアイディアを考えたか」をテーマに発表を行うことになりました。
第1回は大村和弘先生が担当されました。
大村先生は臨床経験が豊富な医師であり、鼻科手術において新しい術式を考案し、難易度の高い頭蓋底手術も執刀されています。
現在では日本語・英語共に多くの論文を執筆されている先生ですが、意外にも若手の頃には論文を執筆する経験が少なく、手術上達のために研鑽を積む日々を過ごされていました。
そこで多くの患者さんが良好な経過を辿る一方、既存の手術方法だけでは思うように良くならない患者さんがいることを経験されました。
こうした経験を糧に新たな手術方法(TACMI法、DALMA法、SLAP-flap法など)を考案し、海外の耳鼻咽喉科スタッフにもプレゼンテーションを行い、論文を執筆されました。
今回の発表の中では、論文の具体的な執筆方法や手術内容にも触れていましたが、特に大事なメッセージは、「目の前の患者さんを良くするにはどうすべきか考えることが、論文執筆の貴重なテーマになる」ことだと感じました。
学年を追うごとに多くの患者さんと接する機会が増え、自分が治療できる範囲が広がる一方で、うまくいかない場面に接する機会も増えます。目の前の患者さんに対してより良い治療を提供するにはどうすれば良いのかを考えて、手術や研究へと還元することが大切だと再認識しました。
次回は茂木雅臣先生が担当されます。先輩方の貴重な経験を知る機会であり、これからもぜひ続けて頂きたいです。 耳鼻咽喉科 中澤 宝
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