MENU

2020年10月10日・11日、第59回日本鼻科学会総会・学術講演会が行われました。

コロナ禍のため本学会初のオンライン発表のみとなりましたが、一般演題を対象に、ダイヤモンド賞をはじめとして優秀演題賞が学会より設けられました。選考方法は、発表を聴講した座長及び聴衆の先生方がオンラインで投票し、その投票数をもって臨床・研究・症例報告の各分野で評価されるものです。

当教室からは、最優秀演題賞のダイヤモンド賞を大村和弘先生(H16卒)が【内視鏡下前頭蓋底腫瘍切除し再建を行った鼻副鼻腔悪性腫瘍53例の周術期合併症に関する報告】、パール賞(臨床部門)を武田鉄平先生(H25卒)が【両側の嗅覚温存を担保した下垂体手術に対する内視鏡下経鼻経蝶形骨洞アプローチ法】の発表で受賞しました。

この二つの発表は、当院が近年脳神経外科と協力し行っている経鼻内視鏡下頭蓋底手術の周術期の合併症に関する発表となります。大村先生の発表は、当院で行っている前頭蓋底切除再建を伴う鼻腔癌に対する手術の際に、世界的な報告では術後3日はベット上安静を強いられ16%〜22%の確率で発生すると言われている髄液漏が、麻酔科チームによる特別な周術期管理と硬膜を経鼻的に縫合する方法をはじめとした当院オリジナルの方法を併用することで術翌日より歩行可能で、かつ髄液漏が0%に抑えられているという報告であり、これは世界随一の成績となります。

武田先生の発表は、下垂体腺腫に対する経鼻内視鏡頭蓋底手術の際に、世界的には中鼻甲介や上鼻甲介という構造物を切除し術野を良くする代わりに嗅覚を犠牲にする術式が主に用いられておりますが、当院では正常構造物を切除することなく良好な視野を確保する術式を開発し、術後の嗅覚も100%温存出来たという報告です。

更に、日本鼻科学会誌の前年の論文(第58巻)の中から、論文内容等を勘案して優秀であると判断された論文を選び、その筆頭著者を表彰する優秀論文賞を弦本結香先生(H25卒)が【嗅覚障害患者の長期予後と神経変性疾患の発症について】というテーマで受賞しました。当科では2009年4月に嗅覚アロマ外来を開設しましたが、本論文は2012年度までに受診した患者の長期予後と神経変性疾患発症率を調査した結果です。原因が特定できない特発性嗅覚障害において、5年以上経過を追うと、18%において神経変性疾患と診断されました。神経変性疾患の初期症状として嗅覚障害が出現することがあるため、詳細な問診や検査の末においても嗅覚障害の原因が特定できない場合には、神経疾患鑑別を検討すべきであると考察した報告です。

総演題数160演題中、我々の教室から一般演題は計10演題発表しました。

その他にも学会からの指定演題としては

森 恵莉先生(H15卒)は

モーニングセミナー:【嗅覚障害の最新知見と新型コロナウイルス感染症に対する当科の対応】

シンポジウム:【ESS合併症の対応・予知・予防】

大村和弘先生(H16卒)は

パネルディスカッション:【内視鏡下前頭蓋底手術の術前プランニング】

に関しての講演を行いました。

創立128年を迎え、医局員が139名となり、日本で最古かつ最大の耳鼻咽喉科として引き続き医局員がそれぞれの研究テーマを持ち世界に発表できるような教室を維持するよう精進いたします。

医局長 森 恵莉(H15卒業)

診療案内

附属病院(本院)

外来受付時間
午前 8 時 - 午前 11 時
午前 11 時 - 午後 3 時
診療開始時間
午前 9 時 - 午後 1 時 30 分
休診日
日曜日、祝日、年末年始
受診のご案内 外来スケジュールはこちら 葛飾医療センター 附属第三病院 附属柏病院